小山医院 三重県熊野市 内科・小児科

三重県熊野市 小山医院

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カルテの裏側

孫に引かれて

2013年12月09日

おじいさんが、水ぼうそうを患った孫の手を引いてやってきた。診察後、病気の性格から別の場所で待ってもらったが、そこから二人の言い争いの声が聞こえてきた。しばらくして、おじいさんは「ここで待っていていいんですか」と尋ねてきた。どうも、待合室と別の場所で待つことが不安になったらしい。尋ねることで安心したおじいさんに、孫は、お薬を待っているだけなのに、と説教していた。きちんと話をしなくて悪かったな、と反省すると同時に、孫が承知している、ということは、少なくとも伝わっている、と思い直した。

診察室で感じることは、大人が思うより、子どもたちは物事を理解し、そのことに自信を持っている、ということ。一緒に暮らしているとつい余計なことをいいたくなるが、こんな場面に遭遇すると、親の知らないところで、子はしっかりと育っていっているのかな、と思う。お薬をもらって、おじいさんは、孫に手を引かれて、楽しげに帰っていった。